新幹線に揺られて新神戸にやってきた。
私たち夫婦はGWが結婚記念日だ。正しくは入籍したのは5/28で、ふたりが付き合い始めた日が5/4である。
私たちはふたりとも新幹線に酔いやすい。
ちゃんと前日に買っておいた酔い止めを飲んでおいたおかげでふたりとも元気に到着することができた。
三宮までの電車の中で、私が
「神戸の地名って『源氏物語』の人物の名前が多いよね。なんでだろ?」
と夫と話していたところ、美しい着物姿のご婦人に話しかけられた。
「神戸の人たちは源氏物語にあやかって人物の名前を地名にしたのよ」
柔和な話口調でそう教えてくださった。
こうやって話しかけてくださる感じはやっぱり関西っぽいなと思った。
「光源氏みたいなあやしい男についてっちゃダメよ」
と冗談も添えて。
私は「もうあやしい男に捕まってます」と夫を指差して一緒に笑いあった。
夫は「捕まったのは俺の方なんだけどな」と不服そうだった。
南京町では予め調べておいた焼き小籠包が有名な“YUNYUN”というお店に向かった。
お店の周りをぐるっと一周するほど並んでいたが、お店の回転がいいのか思ったより早く店内に入ることができた。
焼き小籠包は皮が厚めで箸で持ち上げても不安がない。
カリッと一口かじって中のスープを啜る。肉汁の旨味がたまらない。ふたりで6個にしたがもっと食べても良かったかもしれない。
セットで頼んだ魯肉飯は八角の香りが濃厚でエキゾチックな味わいだった。これぞ本場の味、である。
南京町は夫にとっては馴染みの土地だ。
大学生の頃に何度か来たことがあるらしい。
「こっちに大きな門があるよ」
案内された先に石造りの立派な門があった。
観光客が大勢写真を撮っている。私もそこに混ざって1枚。
広場にも人がたくさんいた。
お祭りのような活気にワクワクする。
先ほどのランチで飲んだジャスミンティーが美味しかったので、通りの中にあるお茶屋さんで茶葉を買った。
旅先で買う自分へのお土産がまた楽しみのひとつだ。
どこの通りを切り取っても様になる街だった。
外国に来たような、そんないつもと違う空気と景色を存分に楽しんだ。
どこに来たって夫と一緒だと、やっぱり楽しい。